大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所八王子支部 平成元年(ワ)695号 判決 1989年8月22日

主文

一、被告は原告に対し、別紙物件目録記載の土地について、真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続をせよ。

二、訴訟費用は被告の負担とする。

事実

第一、当事者の求めた裁判

一、原告

主文と同旨の判決。

二、被告

公示送達による呼出を受けたが、本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面も提出しない。

第二、当事者の主張

一、原告の請求原因

1. 別紙物件目録記載の土地(以下、本件土地という。)は原告の所有に属するが、不動産登記簿上、被告の所有名義になっている。それは次に述べる経緯によるものである。すなわち、

原告は、昭和三八年二月八日田中商事不動産部の仲介により前所有者山下三七から八王子市<編集注・略>の山林を買い受けて、その所有権を取得した。しかし、税法上の関係から、右の山林を同番一山林六〇七二平方メートルと本件土地との二筆に分筆登記手続をしたうえ、前者を原告と妻恵子との共有名義とし、後者を当時原告と交際関係があった被告の名義を借りて、売主山下から直接被告所有名義に所有権移転登記手続をしたものである。

2. よって、原告は被告に対し、本件土地について、真正な登記名義の回復を原因として、所有権移転登記手続をすることを求める。

第三、証拠関係<略>

理由

一、弁論の全趣旨により成立を認めうる甲第一ないし第三号証、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき同第四、五号証によれば、原告主張の請求原因1の事実を認めることができ、右認定に反する証拠はない。

二、右事実によれば、原告の本訴請求は理由があるから、これを認容することとし、訴訟費用の負担について民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

物件目録<略>

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例